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Channel: 二木紘三のうた物語
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砂山の花

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*パソコンでは自動的に演奏が始まります。スマートフォン等で演奏が始まらない場合は、プレイヤー左端の三角をタップしてください。(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo



作詞:保科義雄、作曲:八洲秀章、唄:小川静江

1 想い出も 小さくあわく
  砂山に 花が咲いてる
  そよ風に 甘くほのかな
  私の夢の 白い花
  青い月 うけて咲いてる

2 白い花 たもとに抱いて
  砂山に 誰か泣いてる
  なぜかしら 寂しい影よ
  私の夢の やさし花
  泪ぐみ 露にぬれてる

3 若き日の はかないえにし
  砂山に 消えぬ想いよ
  今宵また 君をしのびて
  私の夢の 白い花
  ほろほろと 風に散りゆく


《蛇足》 昭和25年(1950)にNHKのラジオ歌謡として発表されました。歌ったのは『さくら貝の歌』を創唱した小川静江。
 覚えている人も少なくなり、このまま埋もれてしまうのかと思われましたが、着メロとして売られているのを発見しました。いい歌は何らかの形で残るものですね。

 メロディは清冽で、八洲作品の特徴がよく出ています。
 保科義雄の詞も端正で静謐。10年以上、もしかしたら数十年経って、結ばれることなく終わった初恋の人を偲びに海辺にやってきた、という設定です。

 聞いていると、消えつつあった昔の事どもが胸の奥から甘酸っぱく湧き上がってきて、ほのかに切なくなります。

(二木紘三)


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