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1 野球小僧に 逢ったかい |
《蛇足》昭和26年(1951)の大映映画『歌う野球小僧』(渡辺邦男監督)の主題歌で、レコードはビクターから発売されました。
無類の野球好きだった灰田勝彦が、久米正雄の新聞小説をもとに企画し、自ら主演を務めたミュージカル仕立ての野球映画。
小僧というと男の子を思い浮かべますが、この映画での小僧は、商店などで御用聞き(注文取り)や配達などをする青少年のこと。『サザエさん』に出てくる三河屋の三郎さんのような若者ですね。もちろん、中学を卒業したばかりのような少年もいました。
灰田勝彦が演じたみなしごの早田克太も、叔父のクリーニング屋で働く店員でした。映画は、早田克太がエースで四番を務める小僧チームが強豪のライバルチームと戦って勝つという筋書き。たわいないといえばそれまでですが、まあ、明るく楽しい映画です。
灰田勝彦は、その人好きのする性格から人脈が広く、野球界にも友人・知人が何人もいました。その縁で、毎日オリオンズや大映スターズの選手たちが出ています。
野球といえば、小学校低学年のころは、三角ベースをよくやりました。塁が本塁・一塁・二塁の3つだけだったので、三角ベースといったのです。
ピッチャーが下手投げで投げたゴムボールをバッターが手のひらで打つ、というのが基本ルールで、そのほかのルールは、参加人数によって適宜変わりました。道具はゴムボールだけで、ちょっとした空き地があればできました。貧しかった時代の子どもの遊びです。
(二木紘三)