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作詞:和田隆夫、作曲:万城目 正、唄:美空ひばり
1 旅のつばくろ わびしいじゃないか |
《蛇足》昭和27年(1952)1月1日公開の松竹映画『陽気な渡り鳥』の主題歌として制作されました。この曲のようにハイテンポで快調なメロディでも、何か所かに哀調が入るという万城目作品の特徴がよく表れています。
この時代、正月映画は、1年で最も収益が見込める映画として、各社が企画力と制作力を競ったものでした。収益第一でしたから、名画とか問題作はあまりなく、ほとんどが娯楽作品でした。
『陽気な渡り鳥』も、松竹が満を持して送り出した娯楽作品で、佐々木康がメガフォンを取り、主演は美空ひばりで、淡島千景、桂木洋子 望月優子、堺駿二、高橋貞二、安倍徹などが脇を固めました。
内容は、孤児の少女が旅の一座に入り、歌のうまさで人気者になり、終幕近くで戦死したと思われていた父親と再会するという、他愛のない筋書きです。この頃の美空ひばり映画と同様、彼女の人気におんぶにだっこといった作品でした。
(二木紘三)