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Channel: 二木紘三のうた物語
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雨(三善英史)

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(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:千家和也、作曲:浜 圭介、唄:三善英史

1 雨にぬれながら たたずむ人がいる
  傘の花が咲く 土曜の昼さがり
  約束した時間だけが 体をすりぬける
  道行く人は誰一人も 見向きもしない
  恋はいつの日も 捧げるものだから
  じっと耐えるのが つとめと信じてる

2 雨にうたれても まだ待つ人がいる
  人の数が減る 土曜の昼さがり
  約束した言葉だけを 幾度もかみしめて
  追い越す人にこずかれても 身動きしない
  恋はいつの日も はかないものだから
  じっと耐えるのが つとめと信じてる

  約束した心だけが 涙によみがえる
  見知らぬ人があわれんでも 答えもしない
  恋はいつの日も 悲しいものだから
  じっと耐えるのが つとめと信じてる

《蛇足》昭和47年(1972)5月25日にビクターエンタテインメントから発売。
 三善英史
(みよし・えいじ)のデビュー曲ですが、それがいきなり大ヒット。第14回日本レコード大賞・新人賞、新宿音楽祭・銀賞、第3回日本歌謡大賞・放送音楽新人賞と、いくつもの賞を獲得しました。

 なかなか来ない恋人を待ちながら、同じように誰かを待ち続けている人を見ている、といった光景です。
 どういう人をどんな状況で待つかによってかなり違いますが、人を待つことには一種の歓びがあります。
 私は、遠方から来るひとを、立ったまま2時間近く待ったことがあります。今か今かと待つその一瞬一瞬が甘美なときめきに満ちていました。諦めて下宿に帰ると、「鉄道事故で行けない」という電報が来ていました。旧国鉄の戦後5大事故のうち、5番目が起こった日でした。

(二木紘三)


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