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Channel: 二木紘三のうた物語
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学園広場

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(C)Arranged by FUTATSUGI Kozo


作詞:関沢新一、作曲:遠藤 実、唄:舟木一夫

1 空にむかって あげた手に
  若さがいっぱい とんでいた
  学園広場で 肩くみあって
  友と歌った 若い歌

2 涙流した 友もある
  愉快にさわいだ 時もある
  学園広場に 咲いてる花の
  一つ一つが 想い出さ

3 ぼくが卒業 してからも
  忘れはしないよ いつまでも
  学園広場は 青春広場
  夢と希望が ある広場

《蛇足》デビュー曲『高校三年生』、次作の『修学旅行』に次いで、舟木一夫の3曲目として、昭和38年(1963)10月に発売されました。
 すぐに日活で映画化され、12月15日に封切られました。1か月前の11月16日に、『高校三年生』が封切られたばかりでした。

 映画は43分の短い学園コメディで、主役の山内賢のほか、舟木一夫、松原智恵子、堺正章などが出演しました(写真)

 学園広場とは、ヒマラヤスギや桜など校地によく植えられている樹木の下、部室棟の前など、生徒たちが自然に集まる場所を指しているのでしょう。

 私は、高校に入学してまもなく、満開の桜の下で、男女の上級生6、7人が楽譜を手に『カチューシャ』を合唱しているのを見て、(ああ、これまでとは違う世界に来たんだ)としみじみと感じました。

 私が田舎の中学で音楽の時間に学んだ外国曲といえば、イギリスやドイツの民謡、フォスターの曲ばかりで、ロシア民謡を聴いたのは、それが初めてでした。初めて聞いたロシア民謡(実はソ連のポップスでしたが)のエキゾチックなメロディに感動したものです。
 その後、コンパなどさまざまな集いで、ロシア民謡や反戦歌をシャワーのように浴びることになるのですが。反体制的思潮に多くの若者が惹かれていた時代でした。

 高校の前庭で近くの女子高の生徒たちとした同人誌の合評会、昇降口で授業開始を無視して不良連中と映画談義を続けたことなど、"学園広場"にまつわる思い出は多々あります。
 そうした記憶は、10数年前まではカラーでリヴァイヴできましたが、今ではほとんどセピア色、せいぜいパートカラーでしか浮かんでこなくなりました。

(二木紘三)


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